2007年11月16日金曜日

ベームのグレート、カラヤンの運命、サロネンのシベリウス

先月終わりごろ、スカパーのICカードが変更になるので交換してくださいって、郵便が来ました。スカパーって、日韓ワールドカップのときにサッカー見たいからって、うちのにせがまれて加入したんですが、最近はどのチャンネルも契約していなくて、ぜんぜん見てませんでした。

ICカードを交換するとしばらく無料で全チャンネル(だったかな?)見れますっていうんで、おお、こりゃラッキー、クラシカジャパンの番組をいくつか見ることができました。今日からまた見れなくなってしまいましたが。

その中から、感想を。

●カールベームのシューベルト「グレート」のリハと本番

1966年収録とのことで、まだベームは少し若いです。

ベームのリハって初めて見たけど、予想通りというか、スコアを徹底的に勉強していて、細かく指示を出していました。ただし、そのほとんどがダイナミクスと縦の線のことだけ。音量の微調整、cresc. dim. のタイミングとその量、ここは揃えろ、とか、微妙なテンポ変化、または、「ここでなんで遅くする?そうは振っていない」とか、無駄にルバートはさせない。あまり芸術的な発言はなく、曲想をたとえ話でするようなこともないです。

しかし。それらの指示とベームのバトンテクニック(かなりうまいと思います)を見ていると、彼がどのように曲を解釈して、どのように表現すればよいのかがとてもよくわかります。一言で言って、わかりやすい指揮だし、指示です。音楽表現を直接的に言うのではなくて、ダイナミクスやテンポの指示によって間接的に伝えています。その通りにやると、フレージングも歌い方も全体の曲想もきちんとハマっていくのです。リハの進め方も早いし、素晴らしいですね。バトンテクニックも、無駄がなく、流れているときはオケ任せ、必要なときには激しくも振る、メリハリのある指揮です。

あと、そうそう、ベームが使っている指揮棒って、途中でちょっと曲がっているんですよね。昔買ったベートーヴェンの「皇帝」(ポリーニのやつ)のジャケットでも気になっていたんだけど、今回の映像を見てやはり同じでした。多分、一本枝で作ってあって、節があるのではないかな。自分は今グラスファイバーの棒だけど、木の枝で自作でもしてみようかな。

・カラヤンの運命

これも1966年。映像は、かなり笑いの要素が含まれています。

木管がアップになるカットでは、フルートとオーボエが左右逆で、すぐ次の全体カットでは元に戻っていたり、ティンパニの見せ場がアップになると、暗譜でたたいてるんだけど(しかもアクションがすごいかっこいい。わざとらしいけど)、次のカットではしっかり譜面台があったり。カラヤンのすぐ目の前から弦楽器が並んでいて、しかもすごい大勢でひしめき合っている様がなんともいえずおかしかったり。

しかしながら、演奏はすごいですね。また、カラヤンってほんとうに指揮がうまいです。目をつぶっての、例のナルシスト振りなんだけど、どんなに腕を大きく振っても体、肩、首、頭がびくともしない。超、お手本な指揮です。容姿と相まって、超かっこいいです。

解説の高嶋ちさ子が、「こんな、指揮者をかっこよく見せるためだけの映像って何?」みたいなこといってました。ベルリンフィルのスーパーメンバーをそんなことに使っていいの?って。そこでもう一人の男の解説の人が「あとでいろいろもめましたけどね」とさくっと返していました。

解説によると、このナルシスト振りとかオケの映像のおもしろさは、どうやらカラヤンが自分で考えたものではなくて、映画監督な人がやったことらしいです。カラヤンは後に影響を受けて自分でも同じようなことをやりだしたみたいですが、この映像ではやらされている感があります。目をつぶっているのも監督に言われたのではないでしょうか。現に、フィナーレが終わった瞬間アップになったカラヤンの目が一瞬、薄目になります。多分、本当は目を開けていたかったんだと思います。タヌキ寝入りしてて耐えられなくなったような感じに見えました。

・サロネンのシベリウス

これは2000年のもの。

シベ1、2と続けてやっていて、シベ1の途中から見ました。最初、「お、うまいじゃん」と思って感心して見ていました。若くてハンサムでバトンテクニックがすごくうまくて、いいね~

シベ1の3楽章、楽々振り分けています。オケもがんばる。シベ1の最後。ちょっと大げさだなー、でもまあ、これくらい振ってもいいか。

続いてシベ2。どうやらこの人の本性がでました。カラヤンとは比べ物にならない、超、ナルシストです。なんというか、自分に酔っている感じ。おれって、美しいでしょ?系。2楽章になると、なんと、大粒の涙が両目からこぼれてきました。びっくりですね。

しかし、バトンテクニックがうまいのは相変わらずです。大きく振った棒の中に細かいパートが気持ちよく納まっていきます。それはすごいんだけど、オケを操りすぎというか、ためしに指揮を見ずに音だけ聴いていると、全然鳴っていないんですよね。ただ弾き飛ばしているだけ。力んでいるんだけど、鳴っていない。けど、サロネンを見ながらだと、すごく感動的に聴こえてくる。うーん、なんだかなー。

カラヤンもベームも、オケのうまさを利用してより昇華させる手法なんだけど、サロネンのはそういうのとは違う方向性ですね。

以上、やはりぼくは古い人間なのか、ベームやカラヤンが大好きだということがわかりました。

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