今度シューベルトのグレートを吹くことになり、音源を研究中。
ベーム、ショルティ、サバリッシュ
とりあえずベームあたりは基準だろうと勝手に思い込んでいた。
ショルティも ”らしい” 演奏。
サバリッシュは個性的でとても良い演奏。
音楽が大好きなんだと思わせる。
がしかし。
いずれの演奏も、シューベルトのこのグレートという曲を好きにならせてはくれない。
特にベームのはよろしくない。演奏が悪いわけではないのだが・・・
そこで、ふと、カラヤンBPOのCDを持っていることに気づいた。1977年EMI版。
これを聴いて、この曲への印象が180度変わった。大好きな曲になった。
カラヤン恐るべしである。
考えてみれば、カラヤンの演奏はいつもそう。
カラヤン臭はバリバリわかるものの、最終的にはカラヤンすばらしいというよりも
その曲がすばらしいという感想で終わる場合が多い(もちろんまったくの外れもある)。
要するに指揮がうまいということだ。
カラヤン以外の指揮者は皆自分の音楽をやっているが、
カラヤンは曲を聞かせるために全ての技術とリソースを割いている。
曲解釈は独自の個性的なものもあるが、他人からの拝借というのも
目的達成のためならためらわずやっている様である。
1977年EMI版のグレートのどこが良いのか。
端的な話をすれば、第一楽章序奏がまず素晴らしい。
引きずらないテンポを持って推進力があり、音楽が生き生きとしている。
第一楽章のおしまいは目から鱗の斬新テンポだ。
最後の三連符がこれで初めて意味を成すことがわかる。
これに関して、他の演奏は全てNGだと思う。(後述のDG版カラヤンもNG)
第一楽章では1つだけ、序奏の最後の部分で1stフルートが2拍早く入ってしまい、
その後落ちてるのが残念。それ以外はフルートは素晴らしい演奏(おそらくブラウ)。
第二楽章も第三楽章も終楽章も、そのテンポ設定や音量バランス等が吟味されつくしている。後から入手して聴いた1968年DG版に比べて、あらゆる点が改善されている。DG版のほうが良い(好き)と思える部分もあるのだが、シューベルトのグレートという曲としては改善されているという意味である。
しかし、カラヤンBPOの演奏を聴きたいというのならDG版にもかなりの価値がある。
個人的に言えば、それはツェラーが吹いているという点が最大の価値。
この人もまた、この曲の吹き方に対する考え方を180度変えてくれました。
出るべきとこ、引っ込むべきところが文字通り180度。
出るところは期待以上に出ていたが、引っ込むべきところが意外に多く、
聴く前に期待していたのとは違うが聴いた後の満足度は高かった。
ただ、引っ込むといっても、響きは綺麗に残っているのです。
こんな風に吹けたら本当にいいんだけど、素人には難しいだろうな。
第三楽章の短いソロの歌い方は、本当に目から鱗が落ちまくりです。
ツェラーはよくやることなんだけど、フレーズの頭の音を最も響かせて
あとはその余韻でレガート全体を支配する吹き方です。
本当に音楽的だ。素晴らしい。
このDG版、私みたいなツェラーファンじゃない一般人にとっても、
洗練されたEMI版に比べ、もっと元気なカラヤンBPOが聴ける
という意味で、大きな価値があるだろう。
重厚で超ソステヌート奏法な弦楽器はシューベルトというよりも、
まるでブラームスを聴いているかのよう。
EMI版は、その臭みを取って
(だからと言って変なシューベルト味にするわけでもなく)
純粋な洗練された古典ロマン派の音楽そのものを聴かせてくれます。
すばらしいの一言です。
2011年7月24日日曜日
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